導入事例
株式会社魁力屋

Camel導入でデリバリーに関わる店舗業務を効率化 ─ “店長力”強化を実現し、上場後の店舗展開を支える魁力屋のDX戦略

Camel導入でデリバリーに関わる店舗業務を効率化 ─ “店長力”強化を実現し、上場後の店舗展開を支える魁力屋のDX戦略
株式会社魁力屋
  • 導入の背景

    急な注文が入るとスタッフの手が取られ、通常業務に支障が出ていた。また、手作業による伝票処理が多くの問題を引き起こしていた。

  • 導入の効果

    手入力による売上データの差異はほぼゼロにまで減少。デリバリーに消極的だったスタッフから「デリバリーの対応時間を延ばしたい」という声が上がるように。

今回取材したのは、主力ブランドである「京都北白川 ラーメン魁力屋」をはじめとし、全国に150店舗超を展開する株式会社魁力屋様です。

同社は、「日本の食文化と「おもてなしの心」で世界中を笑顔に!」をビジョンに掲げ、全国に店舗を展開。創業以来、着実に成長を遂げ、2023年には東京証券取引所スタンダード市場に上場を果たしました。また、国内での成長と並行して、海外展開も視野に入れ、2024年には台湾に子会社を設立するなど、精力的な事業・店舗拡大を実現されています。

魁力屋では、コロナ禍で店舗に行けないお客様のためにデリバリー事業を開始。店内飲食のオペレーションとデリバリー事業のオペレーションの両立のために、2022年からCamelの導入を開始しました。

今回は、株式会社魁力屋 営業支援本部 本部長 濵口様、営業支援本部 営業企画部 マネージャー牧野様に、魁力屋の取り組むテイクアウト・デリバリー戦略とCamel導入の経緯、今後の店舗展開を支えるDX戦略について詳しく伺いました。

左:牧野様、右:濱口様

コロナ禍を機にデリバリー事業に本格参入

濵口様)テイクアウトサービスは創業時から提供しており、特に焼き飯と餃子のテイクアウトを中心に展開してきました。ただ、ラーメンだけは提供してこなかったんです。というのも、「熱々の商品を最高の状態で召し上がっていただきたい」という思いがあったからです。

デリバリーについても、長年議論を重ねてきましたが、「当店の業態には向いていないのではないか?」と考えていました。しかし、コロナ禍により店舗へ足を運べないお客様が増えたため、デリバリー用の商品や設備を整え、お持ち帰りのサービスを強化する形で導入を決めました。

実際、デリバリーに対しては、営業の管理職の間でも慎重な意見が多く、「店内のお客様の満足度を下げてまでデリバリーをやるべきではないのでは」という声も強かったんです。店内のお客様に対して、より良いサービスを提供できるはずなのに、デリバリー対応によってオペレーションが混乱する可能性がありました。特に、急な注文が入ると現場の負担が増えるため、慎重に状況を見極めながら進めていました。

コロナ収束後のデリバリーの在り方についても注視していましたが、売上への一定の貢献に加え、風邪をひいたり外出が難しいお客様に商品をお届けできることで、「デリバリーは多くのお客様に喜ばれている」と改めて実感するようになりました

そこで、「オペレーションの課題をどう解決するか」を本気で考え、支援本部と協力しながら取り組むことにしました。営業部門が納得できる形でオペレーションの負担を軽減する方法を模索しながら展開を進めてきました。

デリバリー拡大の課題とCamel導入の決め手について

Camel導入の背景について教えてもらえますか?

牧野様)デリバリー事業を開始した当初、店舗のオペレーション改革は喫緊の課題でした。私自身、店長経験があるため、デリバリーが現場にどれほどの負担を与えるかは痛感していました。急な注文が入るとスタッフの手が取られ、通常業務に支障が出る。 この課題の解決が、最も重要でした。

さらに、手作業による伝票処理が多くの問題を引き起こしていました。 POSに誤った商品を入力したり、数量を間違えたりすることが頻発。会計時には、異なるボタンを押してしまうミスが生じ、デリバリーサービスごとの売上が正しく計上されず、管理上の金額不一致が多発していました。

こうした確認作業に膨大な工数がかかる状況を改善すべく、「この不一致をゼロにしたい」と考えていた矢先に、基幹システムのベンダー企業から「解決可能なシステムがありますよ」と紹介されたのが導入のきっかけでした。

Camel導入後の具体的な効果について教えてください

牧野様)Camel導入により、現場の業務負担は大幅に軽減されました。 例えば、トライアル店舗での導入時、ヘルプに入った他店舗のスタッフが「うちの店舗でも使えるようになりますか?」と問い合わせてきたこともありました。

営業スタッフの意識変化も大きな成果の一つです。 以前はデリバリーに消極的だったスタッフが、「デリバリーの対応時間を延ばしたい」と言い始めたんです。もしCamelが負担の大きいシステムであれば、このような声は決して上がらなかったはず。 こうした変化は、Camelが業務負荷を確実に軽減し、現場に受け入れられている証拠だと感じています。

加えて、バックオフィス業務も劇的に改善されました。 以前は、手入力による売上データの差異が頻発し、修正作業に多くの時間を要していました。 しかし、正式導入後の1ヶ月間のデータを確認したところ、手入力による差異はほぼゼロにまで減少。現在、残る修正作業はキャンセル処理などのイレギュラー対応のみとなり、それ以外の業務負担はほぼゼロに。 バックオフィスの業務効率が飛躍的に向上し、負担軽減に大きく貢献しています。

濵口様) 基幹システムと連携し、会計処理を一元化したことで、店舗のオペレーション負担を劇的に削減できました。 これは、売上を伸ばすための大きな武器になったと感じています。

デリバリー売上の拡大も加速しています。 既存店をさらに成長させるフェーズに入ったことで、今後は新たに他のデリバリーサービスを導入するかどうかといった選択肢も検討可能になりました。 こうした選択肢を持てるようになったのは、Camel導入のおかげであり、非常にありがたいことです。

上場後の店舗展開を支える店長たちをDXで支援

Camel以外にも、TTO(テーブルトップオーダー)の導入などDXを推進をされていますが、どのような背景・方針でしょうか?

濵口様)先ほども触れましたが、当社の成長は「店長の力」に支えられています。 経営の視点も重要ですが、何よりも現場の力を高めることが最優先です。

特に、外食業界の人材不足は深刻です。 生産年齢人口が減少し続ける中、いかに持続可能な店舗運営を実現するかが喫緊の課題となっています。 そのためには、店長が「人にしかできない業務」に専念できる環境を整えることが不可欠です。具体的には、金銭管理や衛生管理など、店舗運営で絶対に守るべき業務に集中できるようにする一方、ルーチンワークや煩雑な事務作業など、非生産的な業務は極力削減する必要があります。

今後の店舗展開を見据えると、「マニュアルの徹底による安定した営業力の強化」が最優先事項となります。 そのために、店長の業務負担を減らし、「営業に集中できる環境」を構築することこそがDX推進の目的です。

飲食店の店長は、おもてなしのプロです。 「良い商品を開発し、最高の接客を提供する。」 その本来の役割を全うできるよう、非生産業務のDX化を推進していきたいと考えています。

今後の展開とCamelへの期待

デリバリーやテイクアウトの今後の展開について、どのような戦略を考えていますか?

濵口様)テイクアウトやデリバリーの成長余地は大きい一方で、依然として多くの課題が残っています。

オペレーション面は改善が進んできましたが、商品提供の仕組みにはさらなる最適化が求められています。 例えば、商品開発やハード面の課題です。 他社では専用のテイクアウト窓口を設けているケースもありますが、当社ではこれまで店内向けのパッケージで対応してきたため、提供オペレーションの効率化が不可欠です。今後は、商品開発と連動した最適な提供方法の構築を進め、スムーズなオペレーションを実現したいと考えています。

デリバリーへのニーズは今後も無くなることはなく、むしろ強化すべき分野です。 tacomsさんと協業することで、新たな施策にも取り組んでいきたいと考えています。

Camelシリーズへの今後の期待があれば教えてください

濵口様)店長業務の効率化は今後も重要なテーマです。 単なる業務の簡略化ではなく、本質的な最適化を進めることが不可欠だと考えています。現在は直営店舗でCamelを導入していますが、今後はFC店舗への展開を視野に入れています。 特に、ロードサイド型の店舗では、社内のFCオーナーが多く運営しており、こうした店舗への導入を積極的に進めたいと考えています。

直近の目標としては、FC店舗の拡大に伴い、「Camel1台でデリバリー業務を一元管理できる」FC向けパッケージを確立し、Uber Eatsや出前館などのサービスとの連携を強化することを考えています。

牧野様) 私がtacomsさんに特に感謝しているのは、導入時のサポート体制の手厚さです。 細かい確認作業をしなくても、スムーズに導入が進み、現地サポートもしっかりと行っていただきました。 その結果、非常に安心して運用を開始できたと感じています。今後もこのサポート力の強化に期待しています。

濵口様) ラーメン業界におけるデリバリー・テイクアウトの最適化は、まだまだ発展の余地があります。 今後は、商品のクオリティをさらに向上させ、家庭でも店舗と変わらない美味しさを提供できる環境を整えていきたいと考えています。

私たちも、商品開発やオペレーション改善を進めながら、新たなサービス導入を通じて「お客様の体験価値」をさらに高めていきます。

tacomsさんは、まさにこの課題解決を共に進めていく重要なパートナーです。 今後もぜひ協力しながら、より良いサービスの提供を目指していきたいと考えています。


Camel導入についてのご相談や
無料デモのお申し込み・
資料請求について
お気軽にお問い合わせください。